2幕の舞台はパリのカフェ・モミュス。多くの人がクリスマスのディナーを楽しんでいます。街の通りはおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎ。繰り出したわれらが仲間たちは・・・
街の通りには屋台が並び、売り子が大声を出し、子供たちをお母さんたちが追っかけ、それはもうまったく収拾がつきません。一足先に街へ繰り出したマルチェッロ達も思い思いの品物を求めてクリスマスを楽しんでいます。遅れて登場したロドルフォやミミも、今生まれたばかりの恋を愛しむかのように寄り添いながら人混みに揉まれています。やっとの思いで2人はモミュスに着きました。2人を待ち受ける仲間たちは仰々しくも親しみいっぱいに彼女を仲間として迎え入れます。しばらくするとひときわ甲高い声が、そうマルチェッロの彼女、ムゼッタがいつものごとく浮気相手の老紳士を後ろに従え、一杯のクリスマスプレゼントを抱えさせてモミュスに入ってくるところです。無理やり新しい席を用意させて、やれこのお皿は汚れているだの文句をつけ、いよいよムゼッタ本領発揮です。苦々しく思うマルチェッロ。でもいらいらしているのは本当にムゼッタのことを好きでしかたない証拠。彼女の名アリア「私が街を歩くと」を聴いて、一度は忘れかけた心のときめきを再び思い出し、それに気づいたムゼッタが彼を挑発する様に歌い、わざと足の痛みを訴え連れのアルチンドロに新しい靴を買いに行かせます。パトロンがいなくなり2人の愛を確認しあったムゼッタとマルチェッロ。全員が幸せを最高潮で迎えます。
この合唱も含めた全員が「締める」シーンは、いつ聴いても気持ちの良いものです。イタリアではこのシーンでよくお客様がブラボーの声を上げます。僕は生演奏でもCDを聞いていてもいつでも、ここで涙が出ます。プッチーニの音楽の素晴らしさに。
さあそろそろお勘定、となったところで勘定書きを見たらやたら高い、というか法外な値段。クリスマス特別料金だったのでしょうか。慌てふためくメンバーに軽くムゼッタが「あのおじいちゃんに払わせれば良いのよ」と給仕に請求書を渡します。ちょうど街の向こうから軍隊の行進がやってきます。その喧騒にまぎれてみんな退場、靴を買って戻ってきたアルチンドロは残された請求書を見て気絶、というパターンです。
このアルチンドロだけはかわいそうだけど、2幕は底抜けに明るい、見ていてあっという間に過ぎてゆく楽しい幕です。ここが楽しければ楽しいほど、3幕の「一つ目」の悲劇が生きてくると思うのです。
次回はこのオペラで一番重厚な3幕をご紹介します。
