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大晦日の高揚感

昔から母親とおばあちゃんが年越しの澄まし汁を造る香りを嗅ぐと殊の外幸せな気持ちになったものである。我が家は燃料業を営んでいたものだから、夕方6時くらいまでガスや灯油を届け、まさに仕事納めは12月31日の夜。6時過ぎから一家が集まりご馳走を楽しんだ。ぶりの酒かす汁、前述のけんちんのような澄まし汁、新潟方面からの刺身やお肉やなんやらかやら。本当に楽しみな瞬間であった。晩酌に慣れた祖父が杯を傾け、普段お酒を飲まない父がビールで顔を赤らめ、レコード大賞と、紅白歌合戦を12時30分まで見て、それから温かい格好をして近所の神社に出かける。いわゆる「2年参り」というやつで、旧年と新年の挨拶が一時に出来、ご利益も大きいと言うあれである。当然屋台なども出て、にぎやかな気分を盛り上げてくれる。僕にとって一番身近な≪ハレ≫の時であった。田舎なものだから正月やお祭りの時は皆高揚感が違う。何か使命感を感じて3が日を誇らしげに過ごしたものだった。今日は大晦日。東京に住み、習慣も変容し、コンビニなど年中無休のお店も増え、実生活的には普段とあまり変わらなくなってしまったけど、どことなく心がわくわくするのはこの小さい時に味わった気持ちがベースにあるからなのだろう。今日は大晦日。台所から家内が作る煮物のだしの香りに懐かしさを感じ、抜けるような冬の青空を眺めながら、満ち足りた気分で過ごす今年を心から感謝したい。そして来年はより一層の飛躍を。もっと幸せな演奏会をたくさん皆さんと味わってゆきたいと思います!

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