12月11・13日にむけての椿姫の練習のためもうぼろぼろになり見慣れた楽譜を毎日眺めている。隅々まで知り尽くしているはずなのに、見るたびにまるで新しい出来事が書き込まれたような発見の連続である。いかにあさはかな理解でわかったような気でいたか、改めて恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。舞台芸術は年齢とともに成長してゆく、変化してゆくというが、それは演奏者の人間の内面が変化し、感受性が豊かになっていっている証拠ではないかと思う。引き出しが増えて、いくつもの方向から物事を眺めることに違和感を感じなくなっているということか。ただそれゆえに、本当の「本質」を見失ったりしてはいないか、ちょっと不安に思うことがある。真実とは何であろうか。
